マンガ BEST 20

書籍紹介

書評、というほど大したものでもなく、
軽くコメントを添えた、書籍紹介をどうしてもやりたかった僕です。

学習はひとまず置いといて、自分の趣味をひけらかす為のコンテンツです。
こちらを読んでいる方は、こんな面白そうなマンガがあったのか、と共に自分と違う意見もあるんだなぁ、程度で捉えていただければ。


とか耳障りのいい能書きから始めるけどさぁよく見るような似た企画でベスト100まで紹介して100冊の中にブラックジャックもドカベンもデビルマンも入らないってどういうことよ!?ベスト10なら分かるよでも100だよ100ま例えば「好きなマンガは北斗の拳です!」って言って何かしらコメント書くのも語り尽くされた感あるから分からないでもないし特に昔のマンガは絵柄の好みがどうしてもでちゃうから仕方ないけど100冊やる気ならそれ相応にマンガ読んだことを示すような根拠を示さなきゃそんな書評に価値あると思う?流行線狙っただけじゃないの?


ええ、色々な意見があるということです。
一番好きなジャンルである、歴史・時代小説から始めようと思ったのですが、
マンガベストの方が集客できそうなので じゃ始めましょう。

ちなみに完結か未完かは2020年5月を基準にしています。
広告に実本と電子書籍と中古が混ざっています。表紙を基準に選んでますのでご了承ください。


20位 できるかな  著者 西原理恵子 (不定期連載中)
紹介文
通称サイバラさんの、勢いに任せて無茶をやるノンフィクションドキュメンタリーギャグマンガ。「鳥頭紀行」もセットで読みましょう。

世界中で色々な物を食べている割に、この人のグルメレポートはちっとも美味そうじゃないところもまたサイバラ節です。
時たまホロッとさせる描写は本心なのでしょうかおカネの為なのでしょうか、それもサイバラ節です。

あれ、この紹介文で読みたくなる人いる? とにかく元気がほしい時に読みましょう。何しろサイバラが5人いれば太平洋戦争は勝てたかもしれない、という江田島平八なみの女傑が、さらに無茶するのが目的の著書ですから。

19位 C級さらりーまん講座  著者 山科けいすけ (未完)
紹介文
さらりーまんを銘打ってますが、さらりーまんをモチーフにした変なおっさんとさらりーまんをモチーフにしたくたびれたおっさんが織りなす変な日常のギャグ4コママンガです。

でも作品全体からちょっぴり漂う哀愁が、タイトル所以の味でしょう。

4コマ漫画としてギャグもキレもテンポもよく、一冊の分量がちょっと空いた時間に読むには丁度いい量なのも、主な読者層を分かった嬉しい計算してくれています。

18位 エリア88  著者 新谷かおる (完結)
紹介文
文庫版の最終ページの解説者、軍事評論家の岡部いさくさんはたまにNHKに出ていますね。
そういった軍事マニア、じゃなかった専門家からすると、羽折りたたむ戦闘機で掻い潜ったり地上空母の存在はやりすぎフィクションだそうです。
面白ければいいじゃん。いや岡部さん自身は多少冗談を含んでおっしゃっていますが。

絵柄は少女マンガだけれど内容はとにかく男臭い。サキもミッキーもグレッグもグエンもマップもエラーも年少のキムも女のセラもマッコイ爺さんも男臭い。まさに漢。
情を捨てた傭兵として戦争をやっていたはずが、いつからか情義の為に戦っている。読めば登場人物の誰かに感情移入することでしょう。

17位 女(わたし)には向かない職業  著者 いしいひさいち (完結)
紹介文
いしいひさいちマンガはどれも面白いです。
ただ一昔前に出ていたいしいひさいち全集とも言うべきドーナツブックス、今は手に入りづらくなっていますね。

これは朝日新聞に連載中の「ののちゃん」の、担任教師、藤原先生を主役にした4コママンガです。朝日読者には馴染みやすいんじゃないかな?

「24の瞳」とか、あいかわらずくだらない(僕は大好き)ダジャレが、
いやそれが主題じゃないですが、いしいひさいちマンガお馴染みのタブチ君やヤスダ君やヒロオカさんも出演していますので、
藤原センセのズボラさをもっと味わいたい人は是非読みましょう。

16位 仕掛人藤枝梅安  著者 さいとうたかを (完結)
紹介文
原作、池波正太郎ですが、さいとうプロが大胆にアレンジしています。
元々池波正太郎が亡くなったため絶筆となった作品でして、そのアレンジの内容に批判はありますが、
陰謀が陰謀を呼び、ために友情が深まる長編用のアレンジは、僕は好きですし肯定しています。

ただし残念ながらさいとうプロの方が色々亡くなったせいか、後半は1話が短くなり、陰謀の繋がりもぶつ切りになり、ぶっちゃけ絵に魅力もなくなってしまいました。皆んなムチムチしてるんだもん。

でも前半は絵柄さえ好みに合えばおすすめします。

そんなルールでベストを決めるならカイジもベルセルクもバキもありなんだが、それでも梅安を選びます、時代劇好きフィルターがかかってます了承ください。

15位 電脳なをさん  著者 唐沢なをき (未完)
紹介文
マジでアップルユーザーってこんなだったよ。部屋の隅っこに固まって選民主義をブツブツ呟いているような。そのくせアップルって企業はimacが当たるまではどの口がイノベーションて言うんだよみたいな。
今は鼻持ちならない人間が見せびらかす目的で所持するブランドのイメージ?

いやいや俺の偏見じゃないよ著者の意見だよ!そんな唐沢なをき氏も実はアップルファンです。好きな子はいじめたくなるんでしょう、多分。
マジで時代は変わりましたね。その記録のマンガでもあります。

で、このマンガの白眉は「MAC道」です!是非「まんが道」を読んだ後で電脳なをさんを読んでください。 MAC道にこの漫画の伝えたいことが全て詰まっています!(?)あぁ大好きだよMAC道!ほんほん、ほんほん、うっ。

14位 河よりも長くゆるやかに  著者 吉田秋生 (完結)
紹介文
同作者の「海街」も「BANANA FISH」もいいが是非これを押したい。
思春期なんて誰もが悩んで立ち止まって、時には振り返り時にはガムシャラに駆け出すもの。そういった男子高校生の情緒を書き出したマンガなんですが…

でもバカ。男子高校生あるある的なバカさがベースにあります。

しかしバカが行き過ぎると単なるギャグマンガになるところ、この作品は情緒とバカの奇跡的なバランスで男子高校生を描いています。
よくこんなガチリアルの男子高校生を書けるなぁ、と感嘆したもんです。作家さんは女性なんだが、僕の見てきた一番リアルな2次元男子高校生事情。

ただ時代は変化してます。こういった男子高校生は今じゃ現実感はないかもしれませんね。聖子ちゃんカットだし。

13位 ブラックジャック  著者 手塚治虫 (完結)
紹介文
書くことないよ。まずは是非読みましょう。

しかし当時から、あの医療行為はリアルじゃない、なーんて指摘があったそうです。
そういう指摘、今のほうが過激でしょう?もし時代が違ったらブラックジャックは失われていたの?
変な思想を教唆し誘導するような表現なら問題だけど、面白ければいいんじゃないの?

12位 鋼の錬金術師  著者 荒川弘 (完結)
紹介文
令和の時代になっても、こういったマンガベスト企画の常連さんですね。

秀逸なのはキャラクター描写でしょうか。主人公エドを中心にしながら、周囲の人物のエピソードもナイスタイミングで交じるので、群像劇のように各キャラクターに魅力が溢れています。

ただ僕がもっと言いたいのは、”戦争を真摯に描写した”こと。戦争や戦後をテーマにした「はだしのゲン」や「夕凪の街 桜の国」なら分かりますが、
とりあえず戦争させて、口先だけで戦争は悲惨だ戦争は復讐を生むだの、なーんも心に響かないコンテンツが2次元3次元問わずたくさんあります。
著者はこの辺を本当に丁寧に取材していると感じました。

そういう取材力と分析力で和ゲーのシナリオ代わりに書いてくれない?

11位 ワカコ酒  著者 新久千映 (未完)
紹介文
正直な話、読んでいると何か口にしたくなるようなマンガ、現代ではあきらめていました。
どうしても過去のマンガと比較してしまいます。グルメ漫画って歴史は古く競争は激しいからね。

じゃあなんでワカコ酒が僕の心にヒットしたのか。絵柄の好み?ちょっと違う。
つまみを前に箸を持って逡巡、決めて口に運ぶ一連の流れ。これよこれ!この流れが共感できるのよ。
そして酒のんで「ぷしゅー」。共感のダブルパンチですわ。
僕はワカコ酒をつまみに酒が飲めます。

ただし僕はアバウトなので、まんじゅうでもショートケーキでも酒が飲めますあしからず。

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閑話休題 美味そうなグルメマンガとは?

グルメ漫画がこれだけ氾濫していても、いわゆる飯テロと言われるような、読み終わったら何か食べたくなる(もしくは飲みたくなる)漫画というのは数少ない。


なんで?食べ終わった後の美味い!という感嘆の表現はもう、クッキングパパアニメ版ミスター味っ子には勝てないのです。

以下長いウンチク
料理の画力?その要素は強いとは思いますが、決して画力の高くない「酒のほそ道」は読んだら飲みたくなりますし、
「美味しんぼ」は後半の方が画力が高いですが、前半の偏見まみれのウンチク交えた食事の方が美味そうに見えません?

洋食で提供されたソース無視して持参の醤油かけちゃうような無頼さ、の方がより身近に感じるんでしょうか。

流石に「かっこいいスキヤキ」や「食の軍師」は色々アレだが。

身近さ?確かに”美味そう!”を想像力で補完するのに身近さは必要です。

そもそもが身近でない異世界系は論外(偏見だから許して)ですし、
例えば「桐谷さんちょそれ食うんすか!?」は身近というには遠く、グルメ漫画というよりネタ漫画として楽しんでます。
僕個人はジビエもカメノテもハチノコも平気で食いますし、以前ヘビ食べに行こうとしたら高くて諦めた経験のあるゲテ料理好きではあります。

同じく「山と食欲と私」も美味そうではありますが、アウトドアへの憧れを加味しての美味そう、です。個人的に登山がもっと身近であれば、もっと美味そうに読めるだろうなぁと指咥えてる第三者な感じ。

でも身近だからと言って、「花のズボラ飯」も美味そう?いや美味そうなんだけどさ、レシピ漫画というかズボラ過ぎるというか。

”ハレ”と”ケ”も美味そう要素の一つです。どちらかに偏り過ぎると、美味そうバランスも偏ってしまいます。
ズボラ飯や「めしばな刑事タチバナ」が”ケ”ならば、「ザ・シェフ」は”ハレ”なバランス。

ストーリーにより過ぎるのも、美味そう感を妨げます。
「味いちもんめ」をグルメ漫画と言うには無理がありますし、「おせん」もそう。「忘却のサチコ」ももうちょいグルメに寄せて欲しいところ。




僕にとって真に美味そうな漫画の条件とは、食べる瞬間をいかに美味そうに描写するかなのです。他の要素は美味そうへの調味料に過ぎません。


前置きがスゲぇ長くなりました。画力があり身近でありハレなのにケである、
マイベスト美味そうグルメ漫画はこちら!!

極道めしです。著者 土山しげる氏の食べる瞬間の描写は日本一だと思います。亡くなられたのが悔やまれてなりません。

独断であり「美味そう」を基準にした評価ですのでそこんとこヨロシク。



10位 乙嫁語り  著者 森薫 (未完)
紹介文
作品が未完の今の所、中央アジアを舞台にした日常マンガ、というレッテルが正しいのでしょうか。
この作品の何がいいかと言えばこだわりの描写です。

中央アジア伝統の縫い物なんて、描くのは大変でしょうが作者は喜々として描いているでしょう、それが画面を通して読者に伝わってきます。もろもろを踏まえて「アジアの縫い物は美しいなぁ」と。

人物も同じ。地域性や時代背景もあり、暗くなりそうな所ですが、作者が喜々として描いてますから登場人物が「楽しそう」なのが伝わってくる。

多分ですが、作者は主人公アミルさんみたいなお嫁さんが欲しいと思ってますね。前作「エマ」もヴィクトリア朝のメイドなんてモロな趣味に走っていましたし、「シャーリー」では美少女のメイドさんが頑張っていますよ。

ほんとド変態な女性作者だよなぁ(褒めています)

9位 度胸星  著者 山田芳裕 (完結)
紹介文
同作者「へうげもの」は大好きですが、あちらの作品は僕が”信長の野望”好き、特に思い入れがあるのが”武将風雲録”という初めて茶器と茶会要素がある信長の野望好きなので、フィルターでふるい分けた結果こちらです。

宇宙飛行士訓練という元に行われるサバイバル漫画が基本なのですが、じゃあなぜ宇宙飛行士になるか、という部分にSF要素がふんだんに含まれています。
一話目から「よくわからない物体が出現し、よくわからない行為をしているが、生存権をおびやかしている事だけは分かる。」

こんな引きをされちゃあもう一気読みですわ。文庫版3巻までで正直続きを読みたいですが、これぐらいで幕を引いたおかげでかえって印象が強くなりました。

8位 ダンジョン飯  著者 九井諒子 (未完)
紹介文
「ウィザードリィ」に「ダンジョンマスター」、それに「BUSIN」要素も少し入ってますね、な世代にとってはもうたまらん漫画です。
ダンマスでブロッコリーを一生懸命食べていたけど、この漫画みたいなことできればあのダンジョン生活ももっと彩りあったのになぁ。ノスタルジーを感じる。

実は作者はガチガチのファンタジーを書きたかったそうですが、それじゃ売れないということでグルメ要素を加えたそうです。
モンスターのレシピもファンタジーが好きだからこそ思いつくようなレシピですよね。
おかげでダンジョン飯の中にはにはダンジョン飯的ファンタジー世界があると錯覚させてくれます。それが心地よい。

悪い例えですまん、天下のゲーム「ドラクエ」って、アユやイワナが釣れるんだぜ、世界がテキトーだよね。

そんな訳で、この作者がもし知名度を得てお金も問題なくなったのであれば、思い切りファンタジーまみれのファンタジーを作っていただきたいですね。

ちなみに同作者の短編「竜の学校は山の上」「竜のかわいい七つの子」「ひきだしにテラリウム」どれもオススメです。

7位 蒼天航路  著者 王 欣太、李 學仁 (完結)
紹介文
キャッチコピー通りのネオ三国志、曹操を主役にした三国志マンガです。
ベースというか一般に知られている、吉川英治の三国志や横山光輝の三国志を読んでいればより楽しめるでしょう。

そして知れば知るほど、三国志本来の主人公劉備は、蒼天航路の描写の方が史実に近いんじゃないかと思われるのです。
三国志演義では善対悪の図式でした。善が劉備、悪が曹操。そんな単純な図式じゃなことを蒼天航路は明確に示しています。だから物語に深みが出るのでしょう。

蒼天航路の一般の評価では、前半の方が好きという意見を多く聞きます。
僕は後半のほうが好き。曹操が超人、というより神のような扱いをされた前半よりも、人間の王となった後半の方が当然人間臭く、だから劉備との対比も深くなったと思いません?
だって神対人間じゃあ神が勝っちゃうじゃん。

三国志の始まりは黄巾の乱です。黄巾が掲げた旗が「蒼天既に死す」です。この蒼天は当時の王朝を指しているとも言われますが、
既に死んだような者の航路、をタイトルにする辺りが、腐敗した世に人間の王たるを望み、人間として飛翔しようとする曹操の在り方を指す、ネオ三国志たる所以ですね。

6位 ヴィンランド・サガ  著者 幸村誠 (未完)
紹介文
北欧ヴァイキングのお話。ゲーム「スカイリム」が好きならば、ソブンガルデことヴァルハラに連れてけ、なノルドの価値観がより身近に感じるんじゃないかしら。

中世ヨーロッパが舞台でも、魔法が出てくるような世界ではありません。人々はただただ戦争しています。戦争は怖くないの?だってヴァルハラに行けるんだから怖い訳なんてないじゃん。
そして実に簡単に、かつ淡々と人々が死んでいきます。それなのに、死に慣れてしまった登場人物達に読んでいると慣れてしまう我々読者。

簡単に殺していた側の主人公トルフィンは、奴隷身分に落ちて大切なことに気が付きました。
だから読者も気づくーなんて別にメタ要素マンガじゃあないんだが、だから僕は奴隷編が好きだしそれ以降も好きなんです。

閑話休題 バトル漫画中ベストバウトは?

ジャンプ黄金世代の僕はそりゃもう色々なバトル漫画を見てきました。
ドラゴンボールも天下一武道会前から読んでますし、当時ならそれこそ上げるとキリがないです。

その数ある漫画の中でも、ベストバウトを決めちゃおうというお話。

以下長い思い出話
例えば「ジョジョ」は3部4部が人気ですが、俺は4部人気の元は、仗助VS吉良のラストバトルの魅力が大きいと思っていますし、
バトル漫画では無かった「シティーハンター」も、獠VS海坊主のシーンは屈指の名場面でしょう。

武器対決といえば「シグルイ」、クライマックスの藤木VS伊良子よりも、虎眼先生との対決の方が面白かったですね。

同じく武器対決の「バガボンド」、本編の進行はもう期待しない方が良さそうですが、思い出の中で僕は鐘巻自斎VS不動の切り合いが好きです。

「キン肉マン」は初代の続編が連載中です。当時は色々アレでしたが、新キン肉マンのゴールドマンVSシルバーマンは主役を差し置いた作中ベストバウトの評価なんじゃないでしょうか。

すみません、偉そうな事今まで言ってきましたが少年マガジンとヤングマガジンはほとんど読んだことがありません。
それでもコンビニコミックで読んだ「はじめの一歩」、鷹村初の世界戦は鳥肌が立つほど面白かったです。

古い作品ばかりですね。おっさんになったもんで、異能力バトル等付いて行けなくなったのもあるんでしょう。

そんな中では比較的最近の「ケンガンアシュラ」。トーナメント戦なので話すとネタバレになるから自粛。一回線では関林VS鬼王山が面白いですが、ムテバVS目黒が好きな俺は多分少数派。



本当にキリがないんこの辺で、マイベスト漫画バウト?を発表します!!

サクラVS巽。正直最近の板垣漫画って、自画自賛めいたことを作中のキャラクターにやらせてウーンなんですが、
当時の作中のセリフなんてファンタスティックな試合はまさにその通り。

この後の堤VS丹波もベストを迷うぐらい面白いです。
作品全体としてはグラップラー刃牙の方がまとまっているんですが、餓狼伝は何試合か突き抜けた面白さがあります。

グラップラー以外のバキについてのコメントは控えさせていただきます。察してください。



5位 彼方のアストラ  著者 篠原健太 (完結)
紹介文
マンガ大賞受賞したということで、珍しくミーハー気分で読んだマンガ。大当たりでした。
宇宙船での遭難事故が舞台となるマンガ。どうしても「11人いる!」と比較してしまうのですが、11人いる!の長さに物足りなかった人にこそオススメ。

とにかく立て続けに起こるトラブルに、チームワークで対処していくクルー達。
非協力的な人物達も、いずれ主人公の人柄のおかげで和解し協力していく、SFなんてマイナー(失礼)マンガなのに、実に王道の少年漫画であります。

とにかくひとつ間違えれば陰惨な物語になりそうな設定を、キャラクターの明るさや熱血、ギャグという名の軽いジャブで対処していく様に、陰惨さなど欠片もありません。
11人いる!より長いと書きましたが、単行本も5巻で完結の潔さ。

読後感も爽やかハッピーエンドであり、物語はやっぱりこうでなくちゃな、と改めて教えてくれた一品です。

4位 狂四郎2030  著者 徳弘正也 (完結)
紹介文
ド下品〇〇ズリ〇〇コ〇ン◯ギャグマンガ。もう伏せ字にしないとアカウント消されそうな程下品とギャグをあらゆるところに散りばめたマンガです。立ち読みでパラパラ見る程度だと、すぐ本棚に戻すことでしょう。

でも狂四郎の住む世界はディストピア。一般人は未来に希望なんかありません。そのくせ一般人同士で足を引っ張り合い、時には殺しあうような、どうしようもない絶望の世界。
実は最初に言ったド下品〇〇ズリ〇〇コ〇ン◯要素は、この世界で狂四郎がたった一つ見つけた、愛という名の希望なのです。
あーもう、愛や希望なんて文字にしたら陳腐極まりないわ。狂四郎が思い想い焦がれるそれは、僕の文字では表せません。ド下品と表裏一体のそれをマンガで表した、まさに傑作なのであります。

絵柄の癖が強いですが、それを乗り越えられるなら是非読んでください。

3位 うしおととら  著者 藤田和日郎 (完結)
紹介文
少年漫画の王道です。バトルあり恋愛あり友情をもって巨大な敵に立ち向かう。
これだけだとまぁ代わりはいくらでもありそうなんですが、うしとらが違うのはその加速感。
最初は身近な妖怪退治だったのが、徐々に徐々に大物へと近づいていき、そして大妖怪の真意に至る経過描写のテンポの良さが一大魅力でしょう。実は1話目からラストバトルへの伏線が貼られているんですぜ?

そして友情。友人(あえて人と書かせてもらう)の”とら”はとってもツンデレです。うしおを食いたくて食いたくてたまりませんが、”もう食っちまったよ”のシーンは涙なくして読めません。
作中で入る細かな印象的エピソードも忘れてはいけません。読んだ人なら”さとり”好きだろ?ちなみに僕はかまいたち兄弟のエピソードも好きです。

言ってしまえば少年漫画の”王道”ではなく少年漫画の”完成”だと思っています。有名作品なので読んだ人は多数でしょうが、まだ読んでいない方は是非。
うしとらが気に入ったなら「からくりサーカス」も是非。

2位 おかゆネコ  著者 吉田戦車 (完結)
紹介文
こういうランキングではちょっと低く見られがちなのがギャグメインのマンガ。特に”不条理系”などと変なレッテルを貼られた吉田戦車、時代の流行もありますので、好き、って囁くようには言えても、好き!って大声で胸を張って言える方は少数派じゃあないでしょうか。
”不条理系”まぁそのレッテルの延長上で考えて、僕の今までで好きな吉田戦車マンガは「火星ルンバ」と「油断ちゃん」でした。

でも「おかゆネコ」は違うのよ!声を大にして言いたい。おかゆという極めて狭いテーマを扱ったグルメマンガの形態をしていますが、中身は主人公ネコの”ツブ”の目を通して行われる”群像劇”です。それもとても良く出来た。

”不条理”なんてレッテルは大違い、なんだかちょっと人として器が小さい人たちが、器の小さいなりにあれやこれや悩むのをおかゆで解決する作品です。
この”器の小さい人”の描写が本当に見事。あらゆるパターンの”器の小さい人”が悩みながらも普通とはちょっとズレながらも懸命に人生を送っている描写が、個々の人物全てを魅力的に引き立てて、ツブの目を通して劇を織りなしています。
面白くない訳がない。
器が普通なのは主人公ネコのツブぐらいであり、器が大きいのは上司の飼い猫”爪子ちゃん”ぐらいです。じゃあこの2匹に魅力がない?全くそんなことはなく、いいツッコミ役です。

マジでさぁ、”不条理系”とか若干バカにしたニュアンスで言ってた自称評論家や、「榎本俊二」と比較して”わからないをわかれ!”なんてこっ恥ずかしいコピーライトした自称芸人は自分の無教養を恥じてほしい。
吉田戦車の魅力とは、この作品に代表される”なんかちょっと器が小さい人”なのです、とか断言すると自分に返ってきそうですね、反省。

ただグルメマンガとしてみた場合、雑炊、せめておじやじゃ駄目?

1位 MASTERキートン  著者 浦沢直樹 (完結)
紹介文
描く作品のハードルが極めて上がってしまった漫画家、それが作者です。
今の不当評価は主に「MONSTER」と「20世紀少年」のせいですが、いやいやMONSTERはあれで良かったんだって。終わりに至るまでの経過は抜群に面白かったんだから、それでチャラにしようよ。

で、作者のハードルを上げた作品が「MONSTER」の途中までと、このMASTERキートンです。主人公は保険の調査員にして考古学者にして大学講師、でも実は英国空挺部隊のエリート出身です。
なろう系ぐらいに設定を盛り込んだ主人公ですが、ストーリーがその設定に全く負けていません。というよりその多少無茶な人物設定があるからこそ、様々な土地、歴史的背景、対人間関係、サバイバル知識と広いテーマで描写が出来るのでしょう。

そしてストーリーの内容が凄い、一本一本全て面白い。ネタバレ防止のため詳細に触れるのは避けますが、まるで映画のようです。今どきの邦画やハリウッド製じゃないですよ?映画館も映画の中身も夢の中のようだったあの頃の映画のような。

言葉の意味のまんま”夢中になれる”マンガがMASTERキートンです。エンタメを高尚扱いする事が嫌いな僕でも言います、MASTERキートンこそ”作品”なのです。

番外 とあるyoutuberのオススメ

神々の山嶺です。いやー面白かった。紹介は略します。

ただし、この方がこの漫画に対して言っていた言葉が気になります。
人によっては重い
”重そう”なんてインプレッションがかの人に届いたんじゃないかしら。

以下中略文
絵柄の好き嫌いはどうしても個人差があります。
例えば僕の友人はブラックジャックが好きですが、火の鳥、特に初期の頃が嫌いだそうです。
絵柄の重さで好き嫌いを論じるなら分かるのですが、
読んでない本に対する聞きかじりの内容の重さで好き嫌いを論じるのはイカンですよ。

重い本は疲れるから避けるのは分かる。ただまず読んでからでしょ。
読んでやっぱり重かったならしょうがない。個人差です。

ただね、神々の山嶺ってそんなに重いか? それこそ個人差だけどさ。
「ウシジマくん」や「殺し屋1」ならともかく。「よしえサン」は違う意味で重いぞ。


神々の山嶺は内容が”重い”からこそ一つ一つの台詞が染みて、面白いんです。
是非かの人の紹介の補足しておきたくて、ここに残します。

迷った作品一覧
ランキング入りさせるか迷った作品も数多くあります。

例えば前半は面白いマンガ
カイジ サザンアイズ ベルセルク テルマエ・ロマエ 少女ファイト等

例えば僕よりもっとディープに語れる人がいらっしゃるであろうマンガ
あしたのジョー ピンポン 孤独のグルメ ノーマーク爆牌党 バジリスク等

例えば作品を選ぶのに迷った作者の代表作
幽玄漫玉日記 沈黙の艦隊 おたんこナース 天才柳沢教授の生活 よつばと!等

例えば流行があるので紹介しづらいギャグマンガ
稲中卓球部 神聖モテモテ王国 GoldenLucky ファミ通のアレ等

例えば勉強不足で読んでないが、読んだらほぼ間違いなく気にいるだろうマンガ
アストロ球団 釣りキチ三平 HUNTER×HUNTER キングダム等

あれ?ベスト50ぐらいはいけたかも?

こりゃいずれ加筆しますわ。

それかジャンルを絞ったり、何年以前発行、何年移行発行など区切って、また紹介出来る日まで、ごきげんよう。

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