民法 債権 法定債権

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債権とは請求できる権利、とお話しました。


お互いの意思表示が合致すれば契約は成立します。

100円払ってコーヒー飲もうが、1200円払ってコーヒー飲もうが、意思表示が合致すればよいのです。


水に800円とるのはどうかと思いますが、あれは値段の大小よりも意思表示の合致が問題でしょう。

似た問題が今時の飲食店の「お通し」に潜在していまして、
値段が不明のために意思表示の合致が無いなら、契約は成立しない、の解釈の延長でしょう。

ところでワタクシは「お通し」を「突き出し」と言ったら友人知人に笑われました。

相撲かよ! 
だってよ。 無知かよ!!


で、契約は売買に限った話ではありません。せっかくなので相撲に例えますと、

「今日は寄り切りで負けるから、来場所は勝ち越しがかかった一番はよろしくね。」


ハイ、意思表示の合致で契約が成立しました。

意思表示は「よろしく」なので、公序良俗違反かどうかは分かりませんし、
債務不履行で損害賠償を請求する代わりに可愛がるのかもしれませんが、
とにかく売買ではない契約も意思表示の合致で当然に成立する、というお話です。



契約があるから債権者になる。契約があるから請求できる権利が発生する。

こういうブログをやっているから回りくどい言い方になるのであって、
日常では当たり前の光景で、文章にせずとも感覚で分かってもらえるかと思います。

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法定債権

でも世の中には契約によらない債権というものが存在します。
それが法律によって生じる債権です、「法定」の債権と呼びます。
民法の重要条文を見てみましょう。

第697条 事務管理

1、 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。
2、 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。

ポイントは頼まれてもないのに勝手にやったこと。推知です。



事務管理者は、善良な管理者の注意義務(善管注意義務)をもって管理をする必要があること。

善管注意義務は別の項で紹介します。



善良な意思を持って善良な行為をすれば、それは契約でなく推知でも費用を請求できます。


…、いやこの条文で分かりやすい例えを色々探してみたんですが、みんな揃って、

壊れそうな家や塀を勝手に修繕したら費用を請求できる(債権者になる)
家の例え話ばっかりなんです。






 
オリジナルを考えるのであれば、

車のバッテリーが上がったのを直してあげたら、費用を請求出来る(債権者になる)。
正直あまり変わらないです。なのでつまりはそういうことです。


それに費用を請求できるのであって、報酬を支払う義務はありません。


不法行為でも法定債権が発生する

第709条 不法行為による損害賠償

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。


ま分かりやすいですね。

例えば交通事故にあったら損害賠償請求権が生まれる(債権者になる)ということです。

不法行為を調べるとちょっと面白い判例があったので紹介します。
ピンクレディ振り付けパブリシティ権 平成22年2月2日に、最高裁で判例が示されました。
パブリシティ権とは、著名人がその氏名肖像について有する顧客吸引力・経済的利益を排他的に支配する権利を指します。肖像権だけの話ではなく、肖像権を含む有名人本人の独占利益権といったところ?

雑誌に無断に写真を掲載されたビンク・レディー側は、
このパブリシティ権を侵害しているとして、不法行為による損害賠償を求めました。

結果はピンク・レディ側の敗訴。
写真利用ぐらいでは、顧客吸引力を勝手に利用したとは言えない。という判決です。(思い切り要約)

マスコミの写真無断利用ではパブリシティ権の侵害という不法行為は認められない。これが判例として残りました。
もし肖像権の侵害という部分で戦っていたらどうなったのでしょうか?
司法書士を目指すのであれば、もっと先に民事訴訟法も学ぶ機会も出てくるでしょう。
民事訴訟法の重要条文がこちら 処分権主義を語る上で大事な条文です。
そんな話がこのブログでいつになるか? 知りません。
民事訴訟法 第246条
裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない。




脱線しました。法定の債権の最後がこちら。

第703条 不当利得

法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。



月極8000円の駐車場に勝手に停めてる奴には、8000円の債権者になれる訳です。

あれ?思ったより少なくね?と思った貴方に朗報です。
悪意の受益者には利息を付けて請求できます。

利息のお値段は税込み価格に年率5%、あらお得、アタシも不当利得者になろうかしら。


もちろんなってはダメです。

不当利得が場合によっては不法行為になることもありえます。
不法行為は慰謝料が認められる可能性、弁護士費用が認められる可能性があります。

上2つは不当利得では認められません。不法行為には重いペナルティがあることを忘れずに。



契約なく債権者になる、逆に表現もできます。知らない間に債務者になる

それを民法で表したのが事務管理、不法行為、不当利得です。


悪いことしなければ大概大丈夫とはいえ、認知していないのに債務者になっていた、
そんな可能性があることを知っておくのも良い生活の知恵じゃないでしょうか。

コメント

  1. […] […]

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