民法 制限行為能力者

学習
民法3条の2

法律行為の当事者が意思能力を有しなかったときは、その法律行為は無効となる。



法律行為の前提は意思表示です。
WIKIから引用しますと、法律効果を生じる目的でなされる意思表示が法律行為です。


例えば買いたい!は意思表示であり法律行為です。
例えば喰いたい!は意思表示であり、喰わせてやるから金払え!と合致すれば売買が成立します。
例えば恋したい!は意思表示であり、神は人間に自由意志を与えました。


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やっぱり故意だよね

ま新約聖書の話は置いといて、法律行為は意思表示ありきであり、
意思表示に瑕疵がある、今までの例なら詐欺強迫錯誤心裡留保通謀、そういった場合は、
表した通りの意思表示が、そのまますんなりと法律行為にならない、とは学習してきました。


では条文に有る意思能力を有しない、とはどういう時でしょう?


まず考えられるのが、へべれけくでんくでんの場合です。
本人がこういった場合に、口約束したーだのハンコ押したーだのは無効となります。



ちょっと微妙なところなのが、本人が軽くマインドコントロールされていた場合です。

完全にマインドコントロールされていれば、そもそも契約に不満は言わないのでしょうが、
軽い洗脳状態であれば、後で我に返った時にあの意思表示は本意ではない、こともあるでしょう。


例えばアー○ビ○ンに打ちっぱなしのコンクリ部屋に連れ出されて強面兄さんに買え買え言われて、
買わざるを得ないから買ってしまった場合の意思表示は取り消せるのでしょうか?


半分ワタクシの経験であり、その時はイラネっすで逃げたのですが、
買ってしまった人のためにクーリングオフという制度があります。
民法から離れますのでここでは割愛しますが、意思表示の取り消し手段はあるということです。

未成年者

他に、民法によって意思能力を有しないと規定される人たちがいます。

それを表題の制限行為能力者と言います。


第5条 未成年者の法律行為

1.未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

2.前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。



民法3条と照らし合わせて考えましょう。

5条で、未成年者は単独で法律行為が出来ないと言っています。
3条で、意思能力を持たない法律行為は無効と言っています。

あわせ技一本で、未成年者は意思能力を欠く、と言っているわけです。
改めて言われたら腐ったみかんになりそうな条文ですよね。



そう悪いことばかりでもありません。
2項に規定されているように、未成年者単独の法律行為は取り消すことが出来ます。

ハイ、また復習の時間ですよ~。3条は無効でしたが、5条は取り消しです。
なので未成年者の法律行為は、法定代理人(主に親)が追認したら有効になるのです。

例えばBくんが食いかけのポテチを甲コンビニに返品しました。
Bくんは未成年で、「あ~ん俺の法律行為は取り消せるんだよ!」と凄んで見せても、
Bくんの親御さんが「すみませんうちの息子が!」と言えばポテチの売買は有効になるのです。

それ以前に 5条3項が以下

第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。


親があげた小遣いはBくん自由にできます。当然自由には責任が伴います。なので売買は有効。

他、民法上未成年者にとって重要な部分を取り上げましょう。

法定代理人が未成年者に営業の許可を与えた場合、営業に関する行為は取り消しできない。


村上ファンドの村上さんは、子供の頃に親御さんから100万もらって、
「これを運用してみろ」と言われたそうですが、このケースで取り消しはできないんでしょうねぇ。

単に権利を得、または義務を逃れる行為は取り消しできない


贈与を受けるのも法律行為ですが、これは権利を受けるだけなので未成年者単独で可能です。

こづかいあげるー、ありがとうやったー。単独で可能です。
素直にお礼を言える人間に成長したいですよね、は置いといて、

ここで注意!!「弁済を受ける」は単独ではできません!
なぜなら「債権を失う」とセットだからです。この辺の理解が宅建の3歩は上をいく難しさですね。


婚姻したら成年とみなされる


そりゃ俺をさしおいて家庭持つような小僧が責任逃れなんて以下略

婚姻したら、離婚しても成年とみなされる


ざまぁみ以下略



で、超大事なのが次の民法

成年
民法4条 年齢18歳をもって、成年とする。  
(2022年4月1日から施行されます)



世の中は選挙権や刑事罰が話題になっていて、少子高齢化のため仕方ないみたいな論調ですが、
単独で法律行為が可能になったり、18歳19歳の取消権が無くなる事も結構な問題と思います。

例えば18歳でアコムのカード作れるようになるんですよ? 本気のマジで議論したと思う?

政治の話は僕の管轄外なんで次いきましょう。

事理弁理能力

成年被後見人、被保佐人、被補助人、が行った法律行為は取り消せる、と民法で規定されています。

これらの方々も3条で規定されている、意思能力を有しない、と法で規定されます。

具体的にどういった方かと言うと、
認知症・知的障碍、精神障碍等の理由で事理弁識能力に欠ける方を指します。
法で規定されると書いたとおり、いずれも家庭裁判所による審判を受けることが前提です。

例を出すのが分かりやすいのですが、今回それは問題があるので、フィクションであるゲーム中の人物で例えます。

軽い方から見ていきましょう。事理弁識能力が不十分な方は被補助人となります。
ゲームで言えばデューク・ぺぺ でしょうか。



審判の決定を得た行為
は、補助者の同意を得ないで行った行為は取り消すことが出来、
同意を得た行為や、その他単独で行った重要でない行為も取り消すことが出来ません。

デュークぺぺは補助人がいないので、「愛してるよ卍丸」は取り消すことが出来ます。
取り消すつもりがないからこそのヤバい奴ではありますが。


次に事理弁識能力に著しく欠けた方は、被保佐人となります。
ゲームで言えば「草原の狼」ハーディン でしょうか。



法律で規定された重要な10の行為
、例えば単独で行った不動産の売買は取り消すことができます。
10個並べるのは割愛しましょう、担保を入れる保証人になる、等が重要な行為にあたります。

ハーディンは保佐人がいましたが、アカネイアの侵略は不動産なので取り消すことができます。
だからハーディンが「ウソでした」といえば、マルスは従わざるをえません。


次に事理弁識能力を完全に欠く方は、非成年後見人となります。
日常品の購入(例えばポテチの購入)は取り消せません。

が、他の単独でした法律行為は取り消せます。
そして非成年後見人にだけ有る取消権が、成年後見人の同意を得た法律行為も取り消せるという例外。
ゲームでいえば、ランスロット・ハ…  ネタバレじゃねぇか!


そんな感じで見てきました、制限行為能力者の4典型例が以上です。
「制限行為能力者は保護されている!!」のが分かっていただけたでしょうか。

ワタクシ自身の経験則で言いますと、制限行為能力者ではないよ、
との書類を、銀行との契約のためワザワザ用意しました。

取引の相手方になった場合に、気をつけるのがいいかもしれないと思うこの頃本日はお日柄もよくお集まりいただき誠にありがとうございます世間様は流行病で上に下にの大騒動の昨今お体にはお気を付けていただき機会がございましたらまた申し合わせの上お読みくださいますこと乞い願いたく存じます。

…あれよね、本部以蔵の言う「タブー中のタブーに触れ」ないのは難しいね。

コメント

  1. […] 民法18 制限行為能力者民法3条の2法律行為の当事者が意思能力を有しなか… 民法16 代理3 法律行為代理の3要素、覚えていますか?ハイ皆さんで唱和しましょう。「だ」 大体は「い」 いままでやってきた感じ「り」 理由はあとづけはいこれは僕の勉強方針ですね。改めて読み上げましょう、代理権+顕名+法律行為 これ…kamahou.net2020.03.25 学習 民法 シェアする Twitter Facebook はてブ Pocket LINE コピー kamadecoをフォローする kamadeco かま法 […]

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