民法 時効 消滅時効

学習

さて時効ですよ。

早速の脱線ですが、民法の理解の中でも特に難しい(と個人的に思っている)のは、
この時効制度と、根抵当であると思っています。



余談ではありますが、初めて銀行の担当さんと話した時、
根抵当のことを「こんていとう?」と読んで恥をかきました。「ねていとう」が正解。

さらに余談ですが、借地借家法は「しゃくちしゃっかほう」であり、「しゃくや」ではありませんし、
会計で出てくる「利益剰余金」は「りえきよじょうきん」ではありません

皆様は僕の勘違いから少しでも学んでいただければ、こいつは一味違うと思われるかもしれません。

んで時効です。時効の何が難しいか。
今まで権利が移動したり無くなったりするのは、意思表示で成立する、のが前提でした。

時効は自分の意思と関係ない所、法律が勝手に決めた所で、移動したり無くなったりするのです。
法定の物権変動なのです。



意思表示による債権者債務者の関係、履行による物権変動。これは日常です。
民法を学ぶから債権債務履行なんて言葉になるだけであり、
売買を例にすれば、売ります買いますボクのもの!ワタシのお金!ほらね、日常です。



そして利益衡量なんて言葉がでてきましたが、
要は悪いこと、詐欺や強迫をやった奴相手には売買を成立させない、
善人、というか普通に意思表示して取引した人間を優先して保護する、ための利益衡量です。

特殊な言葉を用いているだけで、感覚としては当たり前なのです。


ほいで時効です。法定の物権変動、要は法律を知っていないと、更に細かいルールを知っていないと、
どこでどうして変動があったか分からないのです。

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時効=法定の物件変動

それでは身近な例からいってみましょう。題して、こんな大人にはなりたくない。

身近にいませんか?昔の武勇伝を誇るうつけなご年配が。

「オレが若い頃は街ナカでガンくれた奴には片っ端から喧嘩を売ったもんよ」
いかにも対等な立場で喧嘩したような口調ですが、
当時は革の学生鞄の中に鉄板を入れていた奴もいました。

それで相手の拳を防ぐばっかりだったと思います?思ったアナタは人が良い。



はっきり言いましょう。武器を準備して喧嘩をしたのです。
しかも皆が熱血硬派くにおくんや前田太尊ではありません。というかンな奴は少数派でしょう。



武器を準備して、勝てそうな相手に喧嘩を売ったのです

そんな馬鹿年寄に、「昔の話だから時効だよ」という権利はあるのでしょうか?



それでは条文

第724条 不法行為による損賠賠償請求権の消滅時効

不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。



読んでビックリ、「時効だよ」という権利はご年配にあります

被害者は加害者、もしくは加害行為があったことを知っていたはずです。
ま覆面等して相手が特定できないならば、20年経過しないと時効にはなりませんが、
当時に武器は用意したといえども、顔を隠して喧嘩売る奴はヤンキーの範囲を超えています。


で、これも民法改正の対象です。4月1日より改正される条文がこちら。

第724条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

1.被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。

2.不法行為の時から二十年間行使しないとき。



新旧の違いがあんまりよくわからない方、大丈夫です、ワタクシも分かりません
どうやら2項の行使しないがキーポイントのようです。


改正前民法では、時効が中断する可能性がありました。
しかし判例で、20年経ったら不法行為の賠償請求は出来ないよ、と言っていたのです。

時効の中断って何という方はスーパーめんどくさいので別項目で解説します。
判例を条文化したものが改正民法になります。


お前の行為は未だ罰せられるぞ、と本当は言いたかったのですが、
大抵はヤンキー文化に生きたおバカさん年寄りには残念ながら勝てません。

なのでテキトーにスルーしましょう。将来「テキトーにスルー」が意思表示として認められるかも!
テキトーにスルーした人間に対して意思表示した場合は不法行為とみなす、みたいな!!

詫びる優しい人

じゃ別件で、過去に色々浴びちゃった、優れた方を例に条文を考えましょう。
彼女はまだ1986年生まれ、これ書いてる現在が2020年です
未成年者の可能性がありますが、とりあえずそれは抜きで考えます。


15歳でバイト先から商品をパクってました。バイト先経営者はその被害を知らなかった場合、
あの女性に未だに損害賠償を求めることが出来ますね。

ま、このネット社会、誰かがチクった可能性大なのでその先はしらないですが、
不法行為のリスクは20年負う、それどころかネットに残って一生負う。
可能性があるってことです。お分かり?自分は関係ないと思ってるうつけなお年寄りサマ。


もう一つ身近な時効の例を出します。
殺人等、凶悪な犯罪は、2010年4月27日より時効が撤廃されました。

今までは殺人は一種の不法行為でしたが、凶悪犯罪という形で1段階引き上げた形ですね。



とにかく時効です。
今まで説明した時効は「消滅時効」にあたります。 権利が消滅すること。
主に損害賠償請求権が消滅することを中心に話しました。

報道等もあったのでまーだ理解しやすい所だと思いますが、時効の項は続きますよ、お楽しみに。

コメント

  1. […] […]

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