民法 時効 取得時効成立

学習

時効ですよ令和元年明けて2年


取得時効は20年ないし10年、所有の意思を持って平穏公然と占有を続ける。が成立要件でした。

所有の意思(例えば賃貸契約ではあくまで借りる事が目的だからダメよ)
平穏公然(例えば無理やり占有する、コソコソ占有するんじゃダメよ)

以上が成立要件でしたので、次は占有を続けるとはどういった場合に当てはまるか見ていきましょう。

第187条 占有の承継

1、 占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。



自分一人で10年ないし20年占有しました、当然取得時効の要件は満たします。
では承継人、その占有を別の方が受け継いだ場合はどうなるのか、187条はこれを規定しています。


Aさんは他人の土地と知っていながら5年、公然平穏に占有しました。
Aさんは他人の土地と知っていながら、Bさんに売却しました。

Bさんは占有を続けました。ここで187条の規定する承継が起こりましたが、
さてBさんはAさんの占有に善意だった場合と悪意だった場合で、何年で時効取得できるでしょうか?


Bさんは前の占有者の占有を併せて主張できる、のですが187条続き

187条

2、 前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。



Aさんが悪意で占有を開始したことも承継します。
だからBさんが承継して時効取得できるのは、上記のケースだと15年経過後になる訳です。

Aさんの瑕疵を承継します。Aさんの瑕疵とは所有権に対して悪意であることです。


他にAさんが有過失だったり、無理やり占有を開始したり、それらも承継します。
当然Aさんが平穏でなく公然でもなく占有を開始したならば、承継するので時効取得出来ません。

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併せて主張

さてポイント。条文をよーく読んでください。併せて主張できるのです。
なので主張しなくても構いません。どういうことか?


5年占有した悪意のAさんから、Bさんに売却され占有を承継しました。
Bさんが善意であれば、10年で時効取得が可能です。だって併せて主張しなければいいんだから。
併せて主張してしまったら、Bさんの時効成立には15年かかってしまいます。


では次に変則パターン。賃貸は所有の意思がないために時効取得できない、と前項で述べました。
んじゃAさんが悪意で占有を開始し5年経過、その後Bさんに賃貸に出し20年経過しました。
果たして時効取得できるのでしょうか?また取得するのは誰でしょうか?


答えはAさんが取得できます。しかもBさんへの賃貸は20年必要ありません、15年で時効取得できます。条文がこれ。

第181条 代理占有

占有権は、代理人によって取得することができる。



賃借人も代理人にあたります。だからAさんが悪意の占有ならば併せて20年です。

取得時効の1番のポイントは、一番最初の占有者がどういう状態だったか?
それさえ押さえればあとは10年20年の問題です。


日常で聞き慣れない制度の上、民法の原則としてどうなの?な制度なのですが、
一度学習してしまえば大したことはありませんね。



この辺で時効の項目は終わりにしたかったのですが、
まだヤマが残っていました。時効はどうやって止めるのか、次はそれを考えていきましょう。

コメント

  1. […] […]

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