民法 復習 混同 など

アウトプット

1、A所有の土地に、BのAに対する債権を担保するため、Bが1番抵当権を設定した。
同じ土地にCが2番抵当権を設定した。
同じ土地をAがBに贈与したとき、Bの1番抵当権は消滅する。

答え
☓  混同とは、の基本問題です。
民法179条 同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該の他の物権は消滅する。

しかし続きがあります。
その物又は当該の他の物権が第三者の権利の目的であるときは当該物権は消滅しない
今回は2番抵当権←第三者の権利の目的がついているので、1番抵当権は消えません。

実際の登記簿をパッと見だけしたら驚きそう。
所有者が抵当!?自作自演かよ!みたいな。




2、A所有の土地に、BのAに対する債権を担保するため、Bが2番抵当権を設定した。
同じ土地にCが1番抵当権を設定していた。
同じ土地をAがBに贈与したとき、Bの1番抵当権は消滅する。

答え
○  こっちは消えます。
下の順位の権利が消えても、上の順位の権利を妨げないわけ。
悲しき競争社会の性ですな。




3、A所有の土地に、BのAに対する債権を担保するため、Bが1番抵当権を設定した。
同じ土地にCが2番抵当権を設定した。
同じ土地をBが単独で相続したとき、Bの1番抵当権は消滅する。

答え
○  この流れだと間違えるよね、この問題。

BのAに対する債権とは、AのBに対する債務です。
同じ債権と債務が同一人に帰属したので、まずはこの債権が消えます。
債権が消えたので、抵当権の付従性により、当該抵当権が消滅します。

問題文は上記2問とそっくりなのに、突いているポイントは全然違うところなのですよ。何に対して混同が起こったのか。読み解く力が必要です。

まぁ余白にA→B→Cみたいな図を書くのが一番だな。




4、A所有の建物をBに賃貸し、Bが対抗要件を備えた。
その後同一の建物に、Cのために抵当権を設定した。
A所有の建物をBに贈与した場合、Bの賃借権は消滅する。

答え
☓  先の順位の権利が消滅しても、後の順位の権利は消滅しない、
という覚え方はちょっと違う。

特定の土地につき所有権と賃借権とが同一人に帰属するに至った場合であっても、その賃借権が対抗要件を具備したものであり、かつ、その対抗要件を具備した後に当該土地に抵当権が設定されていたときは、本条1項ただし書の類推適用により、賃借権は消滅しない←判例

すなわち第三者の権利を侵害するから消滅しない。
…結果同じだから分かりやすい方で覚えりゃいいじゃん、ダメ?




5、地上権をA・B・Cの三人で共有していた。
Aが地上権の目的である土地を譲渡された場合、
Aの地上権は混同によって消滅する。

答え
☓  B・Cは民法179条ただし書きに該当するよね。

これが賃借権を共有していたとしても結論は同じです。
債権の混同について、条文を紹介。
民法520条 債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。

問3の相続による債権債務の消滅が、民法520条にあたります。




6、Aが所有する土地を、建物所有目的でBに賃貸し、Bがその土地上に建物を所有している。
AとCが、B所有の建物を買い受けた時、借地権は消滅する。

答え
☓  一見するとCの権利を阻害するから権利が消滅しない、ように見えます。

んがこの規定は民法ではなく借地借家法15条からの規定。
借地借家法15条「自己借地権」 借地権が借地権設定者に帰した場合であっても、他の者と共にその借地権を有するときは、その借地権は、消滅しない。

実はAの権利を守るために、Aの権利が消えないんです。

いやー、混同ってメンドクサイですね。結果は同じに見えても過程が全く違う。



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7、保証人Aが主たる債務者Bを単独で相続した。
保証債務のためにA所有の建物に抵当権が設定されていたとき、保証債務は消滅する。

答え
×  保証人が主たる債務を相続した場合は、保証債務は消滅する。
んですが、今回は保証債務のために抵当権が設定されていました。

保証が債権者に特別な利益を与えない限り、消滅する。
という規定もあり、保証債務のために抵当権が設定されている
即ち、保証が債権者に特別な利益を与えている、と考えられるため、保証債務は消滅しません。




8、AがBに所有する建物を賃貸し、引き渡した。
後にBが同一の建物を買い受けたが、所有権移転の登記をする前に、
AがCに同一の建物を売却し、登記を備えた。Bの賃借権はCに対しても消滅する。

答え
×  Bが賃借し、その建物の所有権を取得したならば、賃借権は消滅します。
しかし登記の前に二重譲渡の譲受人が現れた今回のケースは、
二重譲渡人のCに対しては、賃借権は復活します。←判例




9、買主が代金を支払うまでは、買主に所有権は移転しない。

答え
×  売買契約を締結した時に、所有権は移転するのが原則です。
ラーメン一丁!はいよ! でラーメンは客のモノ、なんですかねぇ。
教科書通りじゃなくて実務積めばわかるのかしらん。

所有権移転の時期に対して特約を結ぶことは当然可能です。




10、物権ではない権利は登記できない。

答え
×  賃借権は債権ですが、登記が可能です。
まぁ賃貸借でちょっと説明しましたが、居住目的の建物を賃借し、引き渡しを受けた場合、
賃借権の登記がなくても対抗できる権利があります。
このへん賃借権は物権ではないですが、物権的ではありますね。

他に聞き慣れない権利に「採石権」があります。石を採取できる権利。債権っぽいですが物権です。




11、民法で定められている物権は、全て登記することができる。

答え
×  当ブログで紹介した権利の内、占有権と留置権は登記できません。
どっちも「権利」というよりは、「状態」と言ったほうがいいかもしれない。




12、抵当権の順位変更登記は、登記することで効力が発生する。

答え
◯  登記とは、大雑把に権利を公示すること、です。
権利を公示するとどうなるか?対抗力が発生するのです。
たとえば不動産の所有権の移転は、売買契約が成立して効力が生じますが、2重譲渡された場合の対抗要件は登記、な訳で、
登記されて所有権が移転する、わけではありません。
上で書いたとおり、契約を締結したら所有権移転、が原則です。

で登記することで効力が発生する例外が、この抵当権の順位変更登記。
他には共同根抵当権の設定登記。
この2つが例外ですよーなんて、箇条書きで覚えると本番で絶対忘れるパターンですね。




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